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フッ素についてのお話

こんにちは、今回は前回予告していたフッ素についての記事を書きたいと思います。

みなさまはフッ素についてどのような認識をお持ちでしょうか?

フッ素で歯を強くする、検診の時に塗ってもらうもの、フッ素は毒物・・・など色々なイメージがあると思います。

歯の表面のエナメル質は『ハイドロキシアパタイト』とよばれる構造物でできています。ご飯やおやつを口に入れた時には歯の表面の虫歯菌が糖分を栄養にして酸を作り出して、その酸によって歯が溶けてしまいます(脱灰といいます)。しかしご飯を食べ終わると唾液の力でお口の中が酸性から中性に戻されていき、唾液の中のカルシウムなどが溶けてしまったハイドロキシアパタイトを修復していきます(再石灰化といいます)。

フッ素を歯に塗ることによって『ハイドロキシアパタイト』という構造が『フルオロキシアパタイト』という構造に変化します。フルオロキシアパタイトという酸に溶けにくい構造物に変化することによって虫歯になりにくい歯になるのです。生えたての歯は未熟(虫歯になりやすい状態)でゆっくりと唾液中のカルシウムなどを吸収して強くなりますが、その際にフッ素を取り込ませることにより前述の『フルオロキシアパタイト』にすることができます。歯が生えはじめてから約2年はフッ素を吸収する力が強いと言われているのでその間は3~4か月に1度は歯医者にいって虫歯チェックやブラッシング、フッ素を塗ってもらうのがよいと思います。

次にフッ素は毒物というものですが、確かに単体のフッ素(F)は猛毒です。しかし、歯科で使用されているフッ素はフッ化物(NaF、MFP、SnF2)とよばれる化合物ですので、単体のフッ素(F)とは性質が異なり、容量を守れば安全に使用できます。

もちろんフッ化物も一度に大量に摂取したら嘔吐したりお腹を下したり、長期に高濃度のフッ化物を飲み込んでしまった場合、フッ素が骨に蓄積したり(骨がもろくなる骨硬化症)、永久歯の形成を阻害したり(歯が茶色くもろくなる歯のフッ素症、歯の表面が白くなる斑状歯)などの悪い影響がありますが、あくまでも過剰摂取した場合に生じるので、容量を守れば安全に歯を強化することができます。

実際にどのように使用したらいいのかわからないという親御さんがいらっしゃいましたら遠慮なくご相談ください。

 

~神戸市須磨区にある歯医者(JR鷹取駅から徒歩3分)~

こもれび歯科クリニック

院長 医学博士 髙橋 佑輔

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