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麻酔のお話~痛みの少ない麻酔をめざして~

歯科用タービン(高速で硬い歯を削る器械)と歯科麻酔は歯科治療の発展に大きく貢献したと言われています。

歯科治療において様々な場面に登場する麻酔ですが、みなさまは麻酔に対して良いイメージはほぼないと思います。

『針を刺す時に痛い』、『腫れた感じがする』、『口が麻痺して唇を咬んでしまった』、『鼻の感覚もヘンになった』、『なかなか麻酔が効かなかった』、『麻酔が長く効いていた』・・・などの不快症状は挙げればキリがありません。

今日は麻酔について書きたいと思います。

針を刺して麻酔を行いますので痛く、特に針が粘膜を貫くときに一番痛みを感じてしまいます。

しかし、麻酔の痛みをできるだけ感じにくくする方法があり、代表的なものに以下のものがあります。

①表面麻酔を行う。

②麻酔薬の温度を体温に近づける。

③麻酔の注射速度をゆっくりと一定に保ちながら行う。

④できるだけ細い針を使う。

 

ここで当院で行う麻酔の手順をご紹介いたします。

まずは麻酔を行う部分を乾燥させ表面麻酔を塗布します。

表面麻酔を塗布している間に注射器を準備しますが、当院では電動麻酔注射器を用いるため、事前に機械(カートリッジウォーマー)で温めておいた麻酔薬と現時点で歯科で採用されている一番細い針(35G)を電動麻酔注射器にセットします。

すると表面麻酔が効いて粘膜に違和感がでてきますので、粘膜にテンションを与えて痛みを感じにくいとされる歯肉頬移行部(歯茎とほっぺたの粘膜との境界部分)に針を刺します。そして電動注射器によりゆっくりと一定の速度で麻酔を行います。

少し時間はかかりますが、当院では患者さまに少しでも麻酔を快適なものと感じていただくため丁寧な処置を心がけております。

 

話は変わりますが、時々麻酔が効きにくい方や効きにくい場合がございます。

歯の麻酔といっても歯の神経に直接麻酔を行えるわけではありません。

正式には『浸潤麻酔』といって歯肉に注射された麻酔薬が骨の中を浸透し歯根の先の神経に到達することで歯の麻酔が得られます。

特に下顎は硬く分厚い皮質骨に覆われているため上顎に比べれば麻酔が効きにくい傾向にあります。しかし通常は麻酔後十分に効く時間を設ければ問題なく処置が可能ですが、骨格がしっかりした方は顎の骨も硬く分厚い傾向がありますので麻酔薬を多めに注射したり麻酔後の時間を長めに設けるなどの対策を行います。

注意が必要なのは急性症状のある歯(何もしなくても痛みのある歯、自発痛を認める歯)です。症状がある歯は麻酔が効きにくく、痛みが長く続いている場合はその傾向が著明です。この場合麻酔が効いていなければ色々な方法(単純に麻酔の量を増やす、歯根膜に麻酔を行うなど)で対応いたします。最終手段として歯に穴を開けて神経に直接麻酔を行えば必ず麻酔は効きますが、強い痛みを伴いますし、そもそも痛くて歯を削ることができない場合もありますので、その場合は鎮痛剤を処方したり、応急処置のみ行い日を改めて処置を再開する場合もございます。

残念なことにこのように麻酔も万能ではありませんので、みなさまも気になることがございましたら痛くなる前、早め早めに歯医者を受診するようにしましょう。

 

~神戸市須磨区にある歯医者(JR鷹取駅から徒歩3分)~

こもれび歯科クリニック

院長 医学博士 髙橋 佑輔

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